多蔵厚亡
読み方
たぞう こうぼう
意味
財産や物を多くため込むほど、それを失う危険や、それを守るための負担も大きくなり、かえって大きな損失を招くという戒め。際限なく蓄財することへの執着を戒める言葉。
由来
中国古典の『老子』第四十四章にある「多藏必厚亡(多く蔵すれば、必ず厚く亡ぶ)」に基づく。『老子』は伝統的には春秋時代の老子の書とされるが、成立は戦国時代、紀元前4〜3世紀ごろとみる説が有力である。「必」を省き、日本では四字熟語として「多蔵厚亡」と表す。
分類・構成
備考
「蔵」は原典の「藏」の新字体。単に財産が多い人を非難する語ではなく、過度な蓄財や所有への執着が損失を招くという警句である。日常会話より文章語・教訓的な文脈で用いる。
誤用・混同注意
- 「多臓厚亡」と書くのは誤り。財産をためる意の「蔵」を用いる。
- 「厚亡」を「こうもう」と読まない。正しくは「こうぼう」。
- 原典は「多藏必厚亡」という「必」を含む五字句であり、「多蔵厚亡」はその内容を四字にまとめた形である。
例文
- 利益が出たからといって資産を際限なく抱え込むのは、多蔵厚亡になりかねない。
- 彼は多蔵厚亡を戒めとして、必要以上の財産への執着を避けている。
- 老子のいう多蔵厚亡は、富そのものではなく、蓄財に固執する心の危うさを説いたものだ。
類義語
- 多蔵必厚亡