因縁生起
読み方:いんねん しょうき
意味
仏教で、あらゆる物事や現象は、それだけで独立して生じるのではなく、直接の原因である「因」と、それを助ける条件である「縁」とがそろうことによって生じる、という考え方。人間の苦しみや出来事も、多くの条件の関わりの中で起こると捉える。
由来
古代インド仏教の根本思想である「縁起」(サンスクリット語のプラティーティヤ・サムトパーダ)に由来する漢訳仏教語である。思想そのものは釈迦の初期仏教、紀元前5世紀頃までさかのぼる。中国で漢訳仏典を通じて「因」「縁」「生起」の語で説明され、日本にも仏教の伝来とともに広まった。
備考
日常語の「因縁」は宿命的な関係や好ましくない関係を指すことがあるが、この語では「因=直接の原因」「縁=補助的な条件」という仏教上の意味で用いる。一般には「縁起」ともいう。
誤用・混同注意
- 「因果応報」と同義ではない。因縁生起は物事が原因と条件によって生じる仕組みをいい、因果応報は行為の善悪に応じた報いをいう。
- 日常語の「因縁がある」という意味の「因縁」と混同しない。
例文
- 仏教では、苦しみもさまざまな原因と条件から生じるという因縁生起の考え方を重視する。
- 因縁生起の見方に立てば、一つの結果を単独の原因だけに帰すことはできない。
- 彼は因縁生起を学び、人間関係の問題を多面的に考えるようになった。
分類
類義語
- 縁起
- 因縁和合
- 衆縁和合