四姓平等
読み方:しせい びょうどう
意味
古代インドの四つの身分・階級である婆羅門(バラモン)、王族・武士、庶民、奴隷の間に、本質的な優劣や差別はないという考え。仏教が、家柄や生まれではなく、行いによって人の価値が決まると説く立場を表す。
由来
古代インドでは、バラモン・クシャトリヤ・バイシャ・シュードラという四姓(四つの身分)が区別されていた。紀元前5世紀頃に成立した仏教は、生まれによる優劣を否定し、修行や行為によって人は尊ばれるべきだと説いた。この平等思想を「四姓平等」と呼ぶ。特定の一書に由来する固定した成句というより、初期仏教の教えを要約した仏教用語である。
備考
「四姓」は古代インドの四つのヴァルナ(身分区分)を指す。現代インドの複雑なカースト制度全体と単純に同一視しないよう注意が必要。日常会話より、仏教・思想史・社会史の文脈で用いる語。
誤用・混同注意
- 「四性平等」と書くのは一般に誤り。身分・家柄を表す「姓」を用いる。
- 現代のカースト制度の全体を指す語だと限定的に理解するのは不正確で、主に古代インドの四ヴァルナに関する平等思想をいう。
例文
- 釈迦の説いた四姓平等の思想は、当時の厳しい身分意識に対する重要な問いかけであった。
- この授業では、古代インドのカースト観念と仏教の四姓平等について学んだ。
- 出自ではなく人格と行いを重んじる四姓平等の理念は、現代の人権思想にも通じる。
分類
類義語
- 人類平等
- 万人平等
- 四姓平等観
対義語
- 四姓差別
- 身分差別
- 門地差別