啐啄同時
読み方
そったく どうじ
意味
雛が卵の内側から殻をつつく「啐」と、親鳥が外側から殻をつつく「啄」が、ちょうど同時に起こること。転じて、師と弟子、または二者の働きかけや受け答えが絶妙のタイミングで一致し、物事が成就することをいう。
由来
中国禅の語。卵から雛がかえる際、雛が内側から殻をつつく動き(啐)と、親鳥が外側からつついて助ける動き(啄)が同時であることにたとえる。宋代・12世紀初頭に成立した禅の公案集『碧巌録』などに見え、師が弟子の悟りの機が熟した時に適切に導くことを表す語として用いられた。
分類・構成
備考
本来は禅語で、師弟間における悟りの機縁をいう。現代では、協力者同士の呼吸や、働きかける時機がぴたりと合うことにも用いる。単に「同時に起こる」という意味だけではない。
誤用・混同注意
- 読みを「さいたくどうじ」などとするのは誤りで、正しくは「そったくどうじ」。
- 「啐啄同事」と書くのは誤りで、正しくは「啐啄同時」。
- 単なる同時発生の意味と誤解されやすいが、相手との応答や時機の一致を含む語である。
例文
- 師は弟子の質問が熟すのを待ち、啐啄同時の機を逃さずに一言を与えた。
- 長年準備してきた企画と市場の需要が啐啄同時となり、新製品は大きな成功を収めた。
- 二人の演奏は啐啄同時というべき呼吸の合い方で、聴衆を魅了した。
類義語
- 師資相承
- 機に投ずる
- 呼吸が合う
対義語
- 時機尚早
- 機を失する