哀梨蒸食
読み方
あいり じょうしょく
意味
上質な梨を、味を損ねる蒸し方で食べること。転じて、優れた詩文・芸術・才能などの価値や趣を理解できず、平凡なものとして扱ったり、台無しにしたりすることをいう。
由来
中国・南朝宋の劉義慶が5世紀前半(およそ430年代)に編んだ『世説新語』の「軽詆」に見える故事に基づく。東晋の桓温が、気に入らない相手に対し、「哀家の上質な梨を手に入れても蒸して食べるのか」と言ったとされる。生食すべき良い梨を蒸すことから、優れたものの価値を理解せず損なう意味になった。
分類・構成
備考
日常会話ではほとんど用いない難解な故事成語で、主に文章語・批評で使う。「哀梨」は悲しい梨ではなく、「哀家」と呼ばれる家の良質な梨を指す。
誤用・混同注意
- 「哀梨」を『悲しい梨』の意味に解するのは誤りで、故事中の「哀家」の上質な梨を指す。
- 「哀利蒸食」「哀梨蒸職」などと書き誤らないよう注意する。
例文
- 古典詩を現代語に置き換えるだけで、その韻律や背景を顧みない解釈は、哀梨蒸食との批判を受けかねない。
- 名匠が手がけた器を単なる梱包材代わりに使うのは、まさに哀梨蒸食だ。
- 作品の意図を読まず、話題性だけで消費する態度を、評論家は哀梨蒸食だと嘆いた。
類義語
対義語
- 適材適所
- 有効活用