合浦還珠
読み方
がっぽ かんじゅ
意味
いったん失われた貴重な物や人材、繁栄などが、再び元の場所に戻ること。とくに、正しい政治や適切な対処によって、衰えていた土地・組織が回復し、失われた利益や価値が戻ることをいう。
由来
中国の歴史書『後漢書』「循吏伝」にある孟嘗(もうしょう)の故事に基づく。後漢の順帝の時代(2世紀ごろ)、合浦郡では役人の搾取により真珠が採れなくなっていた。太守となった孟嘗が悪政を改めると、交阯の境へ去っていた真珠が再び合浦に戻ったという。「合浦」は地名、「還珠」は真珠が戻る意である。『後漢書』自体は5世紀ごろに范曄が編纂した。
備考
漢文由来の硬い表現で、日常会話ではあまり用いられない。単なる「失せ物が見つかる」よりも、善政や適切な働きかけによって失われた価値・繁栄が戻るという故事のニュアンスを伴う。
例文
- 長年行方不明だった郷土資料が寄贈され、図書館にとっては合浦還珠となった。
- 新市長が不正な採掘を改めた結果、漁場が回復したことを、地元紙は合浦還珠になぞらえた。
- 離散していた作品が展覧会で再び一堂に会し、関係者は「まさに合浦還珠だ」と喜んだ。
類義語
- 失而復得
- 失地回復
- 元のさやに収まる
対義語
- 一去不返
- 覆水不返