単文孤証
読み方:たんぶん こしょう
意味
ただ一つの文献・文書だけを根拠として、ある事実や説を論じること。また、そのように他の資料による裏付けがない、孤立した一つだけの証拠をいう。一般に、単文孤証のみで史実や結論を断定することには慎重であるべきだ、という文脈で用いる。
由来
「単文」はただ一つの文献・文書、「孤証」は他に裏付けのない一つだけの証拠を表す。両語を重ねた、史料批判・文献学で用いられる漢語的な四字熟語である。特定の中国古典の一句を典拠とする故事成語ではなく、日本で近代以降に学術用語として定着したと考えられるが、初出年や成立者は未詳。
備考
主に歴史学・文献学などで、史料や証拠の信頼性を慎重に評価する際に用いる。「単文」はこの語では、言語学上の「単文」ではなく、一つの文献・文書の意である。
補足
- 「単文」を言語学上の「一つの文から成る文」だけの意味に解するのは不適切。この語では一つの文献・文書を指す。
- 単文孤証だけで事実が必ず誤りになるという意味ではなく、他の資料による検証が必要な証拠状態をいう。
例文
- この記述は単文孤証にすぎないため、同時代の記録との照合が必要だ。
- 研究発表では、単文孤証だけから王の即位年を断定することは避けるべきだ。
- その伝承を史実と認めるには、単文孤証ではなく複数の傍証を集めなければならない。
分類
類義語
- 孤証
- 単一資料