千金之子
読み方
せんきん の し
意味
大金持ちの家に生まれた子、または身分が高く大切に扱われるべき人をいう。古典では、貴重な身である者は危険な場所や軽率な行動を避けるべきだ、という教えの中で用いられる。文字どおり「千金の価値がある子」を指す語ではない。
由来
中国前漢の司馬遷が紀元前1世紀ごろに編んだ『史記』の「袁盎晁錯列伝」に、「千金之子、坐不垂堂(千金の子は、座して堂より垂れ下がる所に近寄らない)」とある。屋根や梁が落ちる危険のある場所を避けるというたとえから、富貴で大切な人は危険を冒すべきでない、という意味で使われるようになった。
分類・構成
備考
現代の日常会話ではあまり用いない漢文調・文章語の表現である。「千金の子」と書き下してもよい。富裕な子を単にうらやむ語ではなく、貴重な身を危険から守るという文脈を伴う。
誤用・混同注意
- 通常の熟語としての読みは「せんきんのし」であり、「せんきんのこ」と読むのは一般的ではない。
- 「千金の価値をもつ子」という意味だけに解するのは不正確で、富貴な家の子・大切に保護されるべき人をいう。
- 「千金之士」と取り違えないようにする。
例文
- 彼は一族の後継ぎである千金之子として、危険な遠征への参加を周囲から止められた。
- 会社は将来の経営を担う若い後継者を、千金之子のように慎重に育成している。
- 古典における千金之子は、軽々しく危険に身を置かない者のたとえである。
類義語
- 富家子弟
- 良家子弟
- 公子王孫
対義語
- 貧賤之子