十重禁戒
読み方:じゅうじゅう きんかい
意味
仏教で、菩薩が特に重く守るべき十の戒めをいう。一般に、殺生・盗み・邪淫・妄語・飲酒の販売などを禁じ、他人の過失を言い立てること、自己をほめて他者をそしること、物や教えを惜しむこと、怒り、三宝をそしることなどを戒める。十重戒ともいう。
由来
大乗仏教の戒律書である『梵網経』の「梵網経菩薩戒」に説かれる、菩薩の根本となる十の重い戒めに由来する。中国で後秦の鳩摩羅什訳と伝えられる『梵網経』(5世紀初め、406年頃に訳出されたとされる)が典拠で、日本には飛鳥・奈良時代以後、菩薩戒の思想とともに伝来した。
備考
主に大乗仏教・禅宗などで重視される菩薩戒の用語。宗派や注釈書により各戒の表現や解釈には多少の違いがある。「十重戒」と略していうことも多い。
誤用・混同注意
- 「十重」は「じゅうえ」ではなく、この語では一般に「じゅうじゅう」と読む。
- 「十重禁戒」を単に十個の一般的な禁止事項と捉えるのは不十分で、菩薩戒における根本戒を指す。
例文
- 授戒会では、十重禁戒の内容と、それを日常生活でどう守るかが説かれた。
- 僧は十重禁戒を、単なる禁止事項ではなく慈悲を実践するための指針として学ぶ。
- この寺では、十重禁戒と四十八軽戒を合わせて菩薩戒として伝えている。
分類
類義語
- 十重戒
- 菩薩戒