十日之菊
読み方
じゅうじつ の きく
意味
最も必要な時機を過ぎてしまい、役に立たなくなったものや行為をいう。重陽の節句である旧暦九月九日に菊を楽しむべきなのに、翌十日になってからでは遅い、というたとえである。
由来
中国の正史『晋書』に由来するとされる故事成語である。旧暦九月九日の重陽には、菊を観賞したり菊酒を飲んだりする習慣があった。その翌日の「十日」では菊を用いる時機を逸していることから、遅すぎて価値や効用を失ったものを表すようになった。『晋書』は唐代の貞観22年(648年)頃に編纂された。
分類・構成
備考
「六日の菖蒲、十日の菊」ということわざの後半としてもよく知られる。現代では、花そのものではなく、連絡・提案・援助などが時機に遅れた場合に用いる。
誤用・混同注意
- 「十日」を「じゅうにち」と読まず、四字熟語としては通常「じゅうじつのきく」と読む。
- 「菊が十日間咲くこと」を表す語ではなく、時機を逸して役に立たないという意味である。
- 日常的な表記の「十日の菊」と混同されることがあるが、四字熟語としての表記は「十日之菊」である。
例文
- 会議の翌日に資料を提出しても十日之菊で、すでに方針は決まっていた。
- 販売期間が終わってからの値引きは十日之菊に等しく、客足を取り戻すことはできなかった。
- 必要な支援が何週間も遅れて届けば、被災者にとっては十日之菊と感じられるだろう。
類義語
- 六日の菖蒲
- 後の祭り
- 明日黄花
対義語
- 適時適切
- 機を得る
- 好機到来