化城宝処
読み方:けじょう ほうしょ
意味
仏教語。修行者を最終の悟りへ導くため、途中で疲れた者を休ませるために仮に示される「化城」と、真に到達すべき悟りの境地である「宝処」をいう。転じて、一時的・仮の目標や手段と、究極の目的との関係をたとえる。
由来
『法華経』の「化城喩品(けじょうゆほん)」に基づく。そこでは、険しい道を進む人々を導く師が、疲れた人々を休ませるため幻の城(化城)を作り、休息後に本来の目的地である宝のある場所(宝処)へ導く譬えが説かれる。法華経はインドで1~2世紀頃までに成立したとされ、この表現は鳩摩羅什による漢訳『妙法蓮華経』(406年頃)に見える。
備考
主に法華経・天台宗系の仏教思想で用いられる語。日常会話で独立した四字熟語として使うことは多くなく、「化城宝処の譬え」の形で見られる。化城は単なる虚偽ではなく、導きのための方便を指す。
別表記
- 化城寶處
誤用・混同注意
- 「化城宝所」は誤り。原典の表記は「化城宝処(化城寶處)」である。
- 化城を単なる「だまし」や「無価値な目標」と解するのは不正確で、修行者を導くための方便としての仮の到達点をいう。
例文
- 法華経では、二乗の教えを化城、本仏の悟りを宝処になぞらえて説く。
- 研修の修了資格は最終目標ではなく、次の学びへ進むための化城宝処と捉えることができる。
- 指導者は化城宝処の譬えを用い、短期的な目標にも修行を支える意義があると説明した。
分類
類義語
- 化城の譬え
- 方便
- 権実二教