刻鵠類鶩
読み方:こっこく るいぼく
意味
優れた人物を手本として学び、完全にはその域に達しなくても、ある程度はそれに近い立派な者になれるということ。よい手本に倣うことの価値をいう。字義は「白鳥を刻んでうまくできなくても、なお鴨には似る」。
由来
中国の正史『後漢書』馬援伝に見える故事。後漢の武将・馬援(紀元前14年~49年)が、甥らに宛てた戒めの手紙で、実直な竜伯高をまねて成功しなくても「刻鵠不成、尚類鶩(鵠を刻んで成らずとも、なお鶩に類す)」、すなわち慎み深い人物にはなれると説いた。『後漢書』は南朝宋の5世紀に編纂された。
備考
主に、よい人物・高い目標を手本にする場合に用いる。対句的に「画虎類狗」と並べられることがあり、前者はよい手本に倣う意義、後者は不適切な手本をまねる危険を示す。日常会話ではまれ。
誤用・混同注意
- 「鵠」を「鶴」、「鶩」を「鴨」などに書き換えて「刻鶴類鴨」とするのは誤り。
- 「鶩」は「ぼく」と読み、「こっこくるいぼく」と読む。
例文
- 新入社員には、まず誠実な先輩を手本にするよう勧めた。刻鵠類鶩というように、完全に同じにはなれなくても学ぶ価値はある。
- 彼は偉大な師の水準には届かなかったが、刻鵠類鶩で、堅実な研究者として評価された。
- 子どもが良い読書習慣を身につけるには、刻鵠類鶩の精神で、家庭でも親が本を読む姿を見せることが大切だ。