出世離俗
読み方:しゅっせ りぞく
意味
俗世間での名誉・利益・慣習への執着を離れ、仏道に入り、世俗を超えた境地に至ること。「出世」は現代語の「出世する(社会的に成功する)」ではなく、仏教で迷いの世間を超えること、または出家することをいう。
由来
仏教語。「出世」はサンスクリット語の「世間を出る・超える」という概念を漢訳した語で、「離俗」は世俗を離れる意である。この二語を重ね、出家して世俗的な執着を断つことを表した。中国仏教語として成立した時期・特定の初出文献は明確でないが、日本には仏教伝来後(6世紀以降)に伝わったと考えられる。
備考
「出世」を就職・昇進などの社会的成功の意味に取ると、意味が正反対になりやすい。主に仏教・思想・文学の文脈で用いる硬い表現で、日常会話ではあまり使われない。
誤用・混同注意
- 「出世」を「社会的に成功すること」と解釈するのは誤り。ここでは仏教で俗世を超えることをいう。
- 「出世離族」と書くのは誤り(正しくは「出世離俗」)。
例文
- 彼は名声や財産を求める生活を捨て、出世離俗の道として山寺で修行を始めた。
- 出世離俗は単に社会から逃げることではなく、欲望への執着を離れることを目指す仏教的な考え方である。
- この僧の清貧な暮らしには、出世離俗を志した人の厳しさが感じられる。
分類
類義語
- 遁世離俗
- 出家遁世
- 超然脱俗
- 脱俗超然
対義語
- 世俗追従
- 名利追求
- 栄達志向