八万法蔵
読み方:はちまん ほうぞう
意味
仏教で、釈迦が説いた膨大な教え・経典のすべてをいう語。「八万」は実数の八万というより、数え切れないほど多いことを表す。一般には、八万四千の法門、すなわち衆生のさまざまな悩みや性質に応じて説かれた多様な教えを指す。
由来
仏教語。「法蔵」は仏の教えを宝の蔵にたとえた語で、「八万」は極めて多数であることを示す数である。釈迦の教説を八万四千の法門と数える思想に基づく。この数え方はインド仏教以来の伝統で、成立時期を特定できる単一の典拠は明らかでないが、後代の漢訳仏典や仏教注釈に広く見られる。
備考
主に仏教・仏教文学の文脈で用いる語で、日常会話ではまれ。「八万」は「はちまん」と読み、「はちばん」ではない。実際の経典数を厳密に数えた表現ではなく、教えの広大さを示す象徴的な数である。
別表記
- 八萬法藏
補足
- 「八万」を実際の経典数が八万部であるという意味に限定して理解するのは不正確。多数・無数を表す象徴的な数である。
- 「八万」を「はちばん」と読むのは誤り(正しくは「はちまん」)。
例文
- 僧は八万法蔵を学んだうえで、初心者にも理解できる言葉で仏法を説いた。
- 八万法蔵といわれるほど教えは多いが、その根本には人を救おうとする慈悲がある。
- この寺の宝物館には、八万法蔵の一端を伝える貴重な写経が収蔵されている。
分類
類義語
- 八万四千法門
- 八万四千の法門
- 三蔵十二部経
- 一代聖教