依報正報
読み方:えほう しょうほう
意味
仏教語。過去の業(行為)によって得る果報を、主体である衆生の身体・心などの「正報」と、その衆生が住む国土・自然環境・衣食などの「依報」とに分けていう語。人のあり方と、それを取り巻く環境とは、ともに業の結果として深く関係するという考え方を表す。
由来
中国仏教、特に隋代(6世紀末~7世紀初め)の天台教学で用いられた語。天台大師・智顗(538~597)の説をまとめた『摩訶止観』などに、衆生自身が受ける果報である正報と、その依りどころとなる国土・環境の果報である依報を区別する思想が説かれる。日本には天台宗などを通じて伝来し、仏教の教理用語として定着した。
備考
日常会話で用いる四字熟語ではなく、主に仏教・宗教思想の文脈で使われる専門語である。「依正二報」ともいう。正報と依報は別個のものというより、相互に深く関わるものと理解される。
誤用・混同注意
- 「依報」は仏教語では一般に「えほう」と読む。「いほうしょうほう」と読むのは一般的でない。
- 「依正報」のように一字を省くのは不正確であり、正しくは「依報正報」または「依正二報」という。
例文
- 仏教では、私たちの心身を正報、住む世界や自然環境を依報とし、両者を合わせて依報正報という。
- 依報正報の考え方から、周囲の環境を整えることは、自身の生き方を見直すことにもつながると説かれる。
- この講義では、国土と衆生の関係を依報正報という仏教思想から考察した。
分類
類義語
- 依正二報
- 依正