会三帰一
読み方:えさん きいつ
意味
仏教、とくに法華経・天台宗の教えで、声聞乗・縁覚乗・菩薩乗という三乗の教えを、究極的には唯一の仏乗(一乗)へと統合して帰着させること。人々の能力に応じて説かれた三乗は方便であり、最終目的はすべての人が仏となる一乗にある、という意味を表す。
由来
典拠となる思想は『法華経』方便品の「唯有一乗法、無二亦無三(ただ一乗の法のみあり、二もなく三もない)」にある。『妙法蓮華経』は後秦の鳩摩羅什によって406年ごろに漢訳された。成句としての「会三帰一」は、その法華経思想を中国・隋代(6世紀末〜7世紀初め)の天台宗、特に智顗らの教学が整理・定着させた語である。
備考
主に仏教教学上で用いる専門的な語で、日常会話で使われることは少ない。「開三顕一」と近いが、会三帰一は三乗を一乗へ会帰・統合する側面を強調する。
誤用・混同注意
- 「会」を「かい」と読んで「かいさんきいつ」とするのは一般的な慣用読みではなく、通常は「えさんきいつ」と読む。
- 「帰一」は通常「きいつ」と読み、「きいち」とは読まない。
- 「開三顕一」と混同されやすいが、会三帰一は三乗を一乗に統合して帰着させることをいう。
例文
- 天台教学では、声聞・縁覚・菩薩の三乗を一仏乗へ収める会三帰一の思想が重視される。
- 講師は『法華経』方便品の内容を、会三帰一の教えとして分かりやすく解説した。
- この文章では、異なる教えを究極の真理へ統合する考え方を会三帰一になぞらえている。
分類
類義語
- 開三顕一
- 会権帰実
- 廃権立実