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二律背反

読み方

にりつ はいはん

意味

二つの原理・命題が互いに矛盾し、どちらにももっともらしい根拠があって、一方だけを簡単には正しいとも誤りとも決められない状態。特に哲学では、理性を用いて考えると正反対の結論がともに導かれてしまう問題をいう。

由来

ドイツの哲学者イマヌエル・カントが『純粋理性批判』(1781年初版)で論じたドイツ語「Antinomie(アンチノミー)」の訳語として定着した語である。カントは、世界に始まりがあるかないかなどについて、正反対の二つの主張がともに論証できるように見える問題を「二律背反」と呼んだ。日本語訳としていつ確定したかは明確ではないが、近代哲学の受容が進んだ明治期以降に広まった。

備考

本来はカント哲学の専門用語だが、現代では「両方を満たしにくい、相反する要求・価値」の意味で広く使われる。ただし、単なる対立ではなく、双方に理由がある対立を指すことが多い。

例文

  • 経済成長と環境保全をどう両立させるかは、しばしば二律背反の問題として語られる。
  • 個人の自由を尊重しながら公共の安全も守るという二律背反に、社会は向き合わなければならない。
  • 研究者は、理論の単純さと現実を説明する精密さの二律背反を乗り越えようとした。

類義語

  • アンチノミー
  • 自己矛盾
  • 矛盾撞着
  • 相反する命題

対義語

この四字熟語に使われている漢字