三途八難
読み方:さんず はちなん
意味
仏道を修めたり仏法を聞いたりする機会を妨げる、きわめて不幸な境遇の総称。三途は地獄・餓鬼・畜生という三悪道、八難は仏に会えず教えを聞けない八つの困難な境遇をいう。八難の数え方には経典や宗派により多少の異同がある。
由来
「三途」は地獄・餓鬼・畜生の三悪道、「八難」は仏法に出会いにくい八つの障害を表す仏教語である。漢訳仏典の無量寿経には「無有三途八難之名(=三途八難という苦しみの名がない)」の形で見える。現行の漢訳は曹魏・嘉平4年(252年)に康僧鎧が訳したと伝えられるが、この伝承には学説上の議論もある。
備考
主に経典の解説、説法、法要など宗教的な文脈で用いる。日常会話で単なる「大変な苦労」の意味に使うことは少ない。三途は八難の項目とも重なるため、合計十一種の苦難を指す語ではない。
別表記
- 三塗八難
誤用・混同注意
- 「さんと はちなん」と読まない。標準的な読みは「さんず はちなん」。
- 一般的な苦労を表す「四苦八苦」と同義ではない。三途と八難は仏教上の特定の障害・境遇を指す。
例文
- 法要では、亡き人が三途八難を免れ、安らかに往生できるよう祈った。
- 浄土は三途八難の苦しみがない安楽の国として説かれている。
- この文章の三途八難は、単なる苦労ではなく、仏法に出会えない障害を指す仏教語である。
分類
類義語
- 三悪道・八難