三輪清浄
読み方:さんりん しょうじょう
意味
仏教語。布施を行う者(施者)、受ける者(受者)、施す物(施物)の三つに対して、「自分が施した」「相手に与えた」という執着や分別をもたず、清らかな心で布施を行うこと。また、そのように三者が清浄である状態をいう。
由来
インド大乗仏教における布施の思想を背景とする語で、漢訳仏典『大智度論』などに見られる。『大智度論』は鳩摩羅什により402~406年ごろ、後秦で漢訳されたとされる。『金剛般若経』で説かれる、何ものにも執着しない「無住相の布施」の考え方とも深く結び付き、日本へは仏教の伝来とともに伝わった。
備考
主に仏教の布施・慈善の文脈で用いる語。単に「清潔である」という意味ではなく、施者・受者・施物の三者への我執や見返りを求める心を離れることを指す。
別表記
- 三輪清淨
誤用・混同注意
- 「三輪清静」と書くのは誤りで、正しくは「三輪清浄」。
- 「さんりんせいじょう」ではなく、通常は「さんりんしょうじょう」と読む。
例文
- 寄付をするときは、相手からの感謝や自分の評価を求めない三輪清浄の心が大切だ。
- 師は、施す人・受ける人・施しそのものへの執着を離れる三輪清浄を説いた。
- この活動は名声を得るためではなく、三輪清浄の精神で続けられている。
分類
類義語
- 三輪体空
- 三輪空寂
- 無相布施
対義語
- 有相布施
- 住相布施