三千威儀
読み方:さんぜん いぎ
意味
仏教で、僧侶が行・住・坐・臥の日常の動作において守るべき、きわめて細かな作法・戒律が三千あるということ。また、それほど厳格で細やかな立ち居振る舞いや規律をいう。
由来
仏教語。龍樹に帰せられる『大智度論』巻十三などに基づく。比丘の二百五十戒を、行・住・坐・臥の四威儀それぞれで守れば千となり、さらに過去・現在・未来の三世にわたって守るものとして三千と数える説明がある。『大智度論』の漢訳は後秦の弘始年間(402~406年)に鳩摩羅什が行ったとされる。
備考
本来は僧侶の戒律・作法に関する仏教語である。「三千」は必ずしも個別の規則が実数で三千あるという意味ではなく、作法の細密さを示す数え方でもある。一般会話での使用はまれ。
誤用・混同注意
- 「三千威義」と書くのは誤りで、正しくは「三千威儀」。
- 仏教の世界観を表す「三千世界」と混同しない。
例文
- 僧侶は三千威儀を心に留め、日々の所作を整えた。
- 師は弟子に、戒律を暗記するだけでなく三千威儀の精神を身につけるよう説いた。
- 茶席での静かな立ち居振る舞いには、三千威儀を思わせる緊張感があった。
分類
類義語
- 四威儀
- 八万細行
- 威儀具足
対義語
- 放逸無慚
- 無作法