一蛇二首
読み方:いちだ にしゅ
意味
一匹の蛇に二つの頭があるという字義から、一つの組織・集団・国家などに二人以上の中心的な指導者がいて、命令や方針が統一されず混乱することをいう。特に、二人の権力者が対立して統率が取れない状態のたとえ。
由来
中国古典『管子』の「君臣下」篇に見える「一蛇二首、不能相使(一匹の蛇に二つの頭があれば、互いに使役・統率できない)」という趣旨に基づく。『管子』は春秋時代の管仲に仮託されるが、書物としては主に戦国時代(紀元前4~3世紀頃)に編纂されたとされる。
備考
現代では日常会話よりも、組織論・政治・文章語で用いられることが多い。単に「二人で役割分担する」意味ではなく、指導権が分裂して統一を欠くという否定的な意味である。
誤用・混同注意
- 読みを「いちじゃにしゅ」とするのは一般的でない。通常は「いちだにしゅ」と読む。
- 「一匹の蛇に頭が二つある」という字義だけでなく、指導者・権力者が複数いて統率が乱れるたとえである。
例文
- 共同代表が互いに異なる指示を出しており、この部署はまさに一蛇二首の状態だ。
- 権限の所在を明確にしなければ、一蛇二首となって改革は進まない。
- 後継者を二人並べたために社内が割れ、一蛇二首の弊害が表れた。
分類
類義語
- 二頭政治
- 両頭政治
- 政出多門
- 両雄並立