一念随喜
読み方:いちねん ずいき
意味
仏法、特に『法華経』の教えを聞いて、たとえほんの一瞬でも心から喜び、信受すること。また、そのわずかな随喜にも大きな功徳があるとする仏教の考え方。一般には、人の善行や成功をねたまず、自分のことのように喜ぶ意でも用いられる。
由来
仏教語。『法華経』第十八「随喜功徳品」に、法華経を聞いて「一念随喜」する者には大きな功徳があると説かれることに基づく。原典は古代インドで成立し、中国では後秦の鳩摩羅什による漢訳『妙法蓮華経』(406年ごろ)が広く受容された。
備考
本来は『法華経』を聞いて生じる一瞬の歓喜をいう仏教語。日常語では「他人の善事・成功を共に喜ぶ」という意味で使われることがあるが、やや宗教的・文語的な表現である。
別表記
- 一念隨喜
誤用・混同注意
- 「一念発起」と混同しない。「一念随喜」は決意して行動を起こす意味ではなく、教えや善事を喜び受け入れることをいう。
- 「随喜」を「随嬉」などと書かない。正しくは「随喜」。
例文
- 友人が地域の清掃活動を始めたと聞き、一念随喜の心で協力を申し出た。
- 法話では、教えに触れて一念随喜すること自体が尊い功徳になると説かれた。
- 同僚の昇進を一念随喜できるなら、職場の人間関係もより穏やかになるだろう。
分類
類義語
- 随喜功徳
- 法喜充満
- 歓喜雀躍