一心称名
読み方:いっしん しょうみょう
意味
心を一つに集中させ、仏・菩薩の名を唱えること。特に『法華経』の観世音菩薩普門品では、苦しみを受ける人が観世音菩薩の名を一心に唱えれば、その声を聞いた観音が救うと説かれる。
由来
仏教語。『法華経』の「観世音菩薩普門品」にある「聞是観世音菩薩、一心称名、観世音菩薩即時観其音声、皆得解脱」という句に基づく。鳩摩羅什による漢訳『法華経』は中国・後秦の弘始8年(406年)頃に訳出されたとされる。
備考
本来は観世音菩薩の名を唱える『法華経』の文脈に基づく語である。阿弥陀仏の名号を唱える「称名念仏」とは対象が異なるが、広く仏・菩薩の名を唱える意でも用いられる。
別表記
- 一心稱名
誤用・混同注意
- 読みを「いっしんしょうめい」としない。称名は仏教語として通常「しょうみょう」と読む。
- 「一心唱名」と書くのは一般に誤り。「称名」を用いる。
例文
- 苦難に直面した人々は、観世音菩薩の名を一心称名して救いを祈った。
- 法要では、僧侶が一心称名の教えを説き、参列者とともに観音の名を唱えた。
- 住職は、一心称名とは単に言葉を繰り返すことではなく、心を定めて祈ることだと説明した。