落ち武者は薄の穂にも怖ず
読み方
おちむしゃ は すすき の ほ にも おず意味
一度ひどい目に遭ったり、危険な状況に置かれたりした人は、何でもないものにまでおびえるようになるということ。敗れて逃げる者や追われる者は、心が動転して小さな物音や気配にも恐怖を感じる、というたとえ。由来
成立年代は不詳。戦に敗れて逃げる落ち武者が、風に揺れる薄の穂までも追手の槍や敵兵の姿のように見えて恐れた、という戦乱期の情景に由来するとされる。中世の合戦体験を背景に、近世以降にことわざとして広まったと考えられるが、初出年は確定していない。備考
「怖ず」は古語で「おびえる」の意。やや古風・文語的な表現で、日常会話では「疑心暗鬼」「トラウマで過敏になる」などと言い換えられることも多い。例文
- 前回の詐欺被害がよほどこたえたのか、彼は普通の営業電話にも「落ち武者は薄の穂にも怖ず」とばかりに身構えている。
- 一度大きな失敗をした新人は、上司の何気ない一言にも青ざめてしまい、まさに落ち武者は薄の穂にも怖ずだった。
- 夜道で不審者に遭って以来、彼女は風で揺れる看板の音にも驚く。落ち武者は薄の穂にも怖ずとはこのことだ。
- 監査で厳しく指摘された後なので、経理部は小さな数字のずれにも落ち武者は薄の穂にも怖ずのように敏感になっている。
- 大敗したチームは、次の試合で相手の軽いフェイントにも過剰に反応し、落ち武者は薄の穂にも怖ずという状態だった。
類義語
- 蛇に噛まれて朽縄に怖じる
- 羹に懲りて膾を吹く
- 疑心暗鬼を生ず
- 幽霊の正体見たり枯れ尾花
対義語
- 泰然自若
- 怖いもの知らず
- 肝が据わる
- 少しも動じない