歯亡び舌存す
読み方
は ほろび した そんす意味
硬く強い歯はやがて抜け落ちるが、柔らかい舌は最後まで残る、という意から、剛強に振る舞うものより、柔軟でしなやかなもののほうが長く生き残り、困難を乗り越えやすいという教え。由来
中国の故事に由来する。前漢末、紀元前1世紀ごろに劉向が編んだ『説苑』敬慎篇などに、老子または賢者が「硬い歯は失われても柔らかい舌は残る」と示し、柔弱が剛強に勝ることを説いた話が見える。日本では漢籍受容を通じて故事成語・ことわざとして用いられるようになった。備考
漢文調の硬い表現で、日常会話より文章・講話向き。「歯亡びて舌存す」ともいう。臆病の勧めではなく、柔軟さやしなやかさの価値を説く語。例文
- 強硬な態度を貫いた部長は孤立したが、柔軟に調整した課長は信頼を得た。まさに歯亡び舌存すだ。
- 交渉では相手を論破するより、歯亡び舌存すの心で一歩譲るほうが結果的に得をすることがある。
- 老舗の店が時代に合わせて品ぞろえを変えたのは、歯亡び舌存すという知恵をよく知っていたからだ。
- 厳しい規則だけで部下を動かそうとしても長続きしない。歯亡び舌存すで、しなやかさも必要だ。
- 試合では力任せに攻める相手を受け流し、最後に勝った彼の戦い方は歯亡び舌存すを思わせた。
類義語
- 柔よく剛を制す
- 柳に雪折れなし
- 堅い木は折れる
- 柔弱は剛強に勝つ
対義語
- 剛よく柔を制す
- 弱肉強食
- 力は正義なり