木の股から生まれた者はない
読み方
き の また から うまれた もの は ない意味
人間は木の枝分かれから生まれたのではなく、必ず親から生まれた存在であり、人としての情や事情を持っているということ。親の恩や家族とのつながりを忘れてはいけない、また人を無感情な物のように扱ってはいけない、という戒めとして使われる。由来
木の二股から人が生まれるはずはない、という素朴なたとえから生まれた表現。親子関係や人情を重んじる日本の生活感覚に根ざす口承的なことわざで、正確な成立年は不詳。文献上も古くから類似表現が見られるが、少なくとも近世・江戸時代以降には広く用いられていたと考えられる。備考
「木の股から生まれたよう」は人情のない人を指す否定的表現。本句は親の恩や人間らしい情を説く、やや古風な言い回し。例文
- 祖母は親を粗末にする孫に、「木の股から生まれた者はないのだから、親の恩を忘れてはいけないよ」と諭した。
- どんなに冷たく見える人でも、木の股から生まれた者はないのだから、家族を思う気持ちはどこかにあるはずだ。
- 社員を番号のように扱ってはいけない。木の股から生まれた者はないのだから、一人一人に生活や事情がある。
- 彼が急に帰省したのも無理はない。木の股から生まれた者はない、病気の母を放っておけなかったのだ。
- 犯人を憎む気持ちは分かるが、木の股から生まれた者はないと思うと、その人の育った環境にも目を向けたくなる。
類義語
- 人は木石にあらず
- 人間は木石にあらず
- 木石に非ず
- 親なし子はない
対義語
- 木の股から生まれたよう
- 血も涙もない
- 人でなし