大道廃れて仁義あり
読み方
だいどう すたれて じんぎ あり意味
人が自然に従うべき大きな道理や、社会の根本秩序が失われて初めて、仁や義といった道徳がことさらに説かれるようになる、という意味。道徳が声高に叫ばれる状況そのものが、すでに世の中の乱れや本来の徳の衰えを示している、という逆説的な教え。由来
中国古代の思想書『老子』第18章の「大道廃、有仁義」に由来する故事成語。『老子』の成立年代は諸説あるが、一般に中国の戦国時代、紀元前4〜3世紀ごろに形成されたとされる。儒家的な仁義を、人為的な道徳として相対化する老荘思想の文脈で用いられた。備考
老子由来の故事成語で、単に「道徳は大切」という意味ではない。仁義を説く必要が生じる社会の乱れを批判的・逆説的に述べる表現。例文
- 政治家が急に「道徳の再建」を唱え始めたが、大道廃れて仁義ありというように、まず社会の仕組みが壊れていることを見直すべきだ。
- 会社でコンプライアンス研修ばかり増えたのは、大道廃れて仁義ありで、日常の信頼関係が失われている証拠かもしれない。
- 校則を細かく増やせばよいというものではない。大道廃れて仁義ありで、本来の教育のあり方が問われている。
- 昔は黙って助け合っていた地域で、今は「思いやり条例」が必要になった。まさに大道廃れて仁義ありだ。
- 彼は、倫理を大声で語る人が増えた社会を見て、大道廃れて仁義ありという老子の言葉を思い出した。
類義語
- 大道廃れて仁義起こる
- 大道すたれて仁義あり
- 大道廃れて仁義存す
- 礼は忠信の薄きにして乱の首なり
対義語
- 大道行われ仁義なし
- 無為自然
- 大道行わるれば仁義なし