大智は愚の如し
読み方
たいち は ぐ の ごとし意味
本当に優れた知恵を持つ人は、知識や才能をひけらかさず、むしろ一見すると愚かで鈍いように見えるということ。表面的な利口さや口先のうまさより、深い思慮・謙虚さ・落ち着きのほうが真の賢さを示す、という意味で用いられる。由来
中国古典の思想に由来する表現。類句に『老子』(成立は戦国時代ごろ、紀元前4〜3世紀ごろとされる)の「大巧は拙なるが若し」などがあり、直接には北宋の蘇軾(11世紀)の文に見える「大智如愚」「大勇若怯」の系統とされる。日本には漢文訓読を通じて受容され、正確な定着時期は不明。備考
文語的で格調の高い表現。日常会話より文章・スピーチ・人物評で使われる。相手を「愚か」と言う意味ではなく、真の賢者の謙虚さを称える言葉。例文
- 彼は会議で多くを語らないが、最後に本質を突く一言を言う。まさに大智は愚の如しだ。
- 新人のころは頼りなく見えた先輩が、難局で冷静に全体をまとめたのを見て、大智は愚の如しという言葉を思い出した。
- 知識をひけらかす人より、黙って人の話を聞ける人のほうが信頼される。大智は愚の如しである。
- 祖父は普段はぼんやりしているように見えるが、家族が困ったときには最善の助言をくれる。大智は愚の如しとはこのことだ。
- 彼女は自分の功績を誇らないので目立たないが、組織を支えているのは彼女の判断力だ。大智は愚の如しと言える。
類義語
- 大賢は愚なるが如し
- 大巧は拙なるが若し
- 大智若愚
- 能ある鷹は爪を隠す
- 実るほど頭を垂れる稲穂かな
対義語
- 小利口は大愚に似たり
- 生兵法は大怪我のもと
- 浅知恵は禍のもと