大巧は拙なるが若し
読み方
たいこう は せつなる が ごとし意味
本当にすぐれた技量を持つ人や、きわめて巧みに作られたものは、余計な技巧を見せびらかさないため、かえって一見すると不器用で拙いように見える、という意味。真の名人芸は自然で素朴に見えることをいう。由来
中国古代の思想書『老子』第四十五章の「大巧若拙」に由来する。『老子』の成立は諸説あるが、一般に戦国時代末期ごろ、紀元前4〜3世紀ごろとされる。日本では漢文訓読により「大巧は拙なるが若し」と読まれ、格言・ことわざとして用いられるようになった。備考
古風で硬い表現なので、日常会話より評論・挨拶・文章語で使われやすい。「若し」は通常「もし」ではなく、ここでは「ごとし」と読む。例文
- あの職人の器は飾り気がないが、使うほどに完成度の高さが分かる。まさに大巧は拙なるが若しだ。
- 彼の演奏は派手な技巧を見せないのに、聴く人の心を深く動かす。大巧は拙なるが若しという言葉を思い出した。
- ベテランの文章は平易で誰にでも読めるが、構成には隙がない。大巧は拙なるが若しとはこのことだ。
- 新人には地味に見えた作業手順も、実は長年の経験から生まれた最短の方法だった。大巧は拙なるが若しである。
- この庭は自然に見えるように造られているが、石の配置一つまで計算されている。大巧は拙なるが若しというべきだ。
類義語
- 大巧若拙
- 大智は愚の如し
- 大賢は愚なるが如し
- 能ある鷹は爪を隠す
- 巧者は拙を守る
対義語
- 能ある鷹は爪を隠さず
- 下手の横好き
- 器用貧乏
- 見かけ倒し