大匠は拙工のために縄墨を改廃せず
読み方
たいしょう は せっこう の ため に じょうぼく を かいはい せず意味
すぐれた大工は、下手な職人に合わせて墨縄や規矩などの基準を変えたり廃したりしない、ということ。転じて、指導者・賢者・制度の運用者は、能力の低い者や都合の悪い者のために、正しい基準・原則・法を曲げてはならないという戒め。由来
中国の古典『孟子』尽心上にある「大匠不為拙工改廃縄墨」に由来する故事成語。戦国時代の孟子の言行をまとめた書で、成立は紀元前4〜3世紀頃とされる。縄墨は大工が直線を引く墨縄で、仕事の規準を象徴する。日本では漢文訓読を通じて用いられるようになったが、伝来・定着の正確な年代は不明。備考
漢文訓読調の硬い表現で、日常会話ではまれ。教育・法・組織運営などで「基準を曲げない」ことを述べる際に使う。「拙工」は相手を低く見る語なので注意。例文
- 不合格者が多いからといって採点基準を下げるのは違う。大匠は拙工のために縄墨を改廃せずだ。
- 社長は縁故採用の圧力を受けても、「大匠は拙工のために縄墨を改廃せず」と言って選考基準を守った。
- 新人が規則を守れないから規則をなくすのでは、本末転倒だ。大匠は拙工のために縄墨を改廃せずというものだ。
- 彼の指導は厳しいが、大匠は拙工のために縄墨を改廃せずの精神で、全員に同じ品質基準を求めている。
- 有力者の子どもだからといって特別扱いしてはならない。大匠は拙工のために縄墨を改廃せずである。
類義語
- 規矩準縄を守る
- 道を枉げず
- 法は貴きに阿らず
- 大工は拙工のために縄墨を改廃せず
対義語
- 臨機応変
- 郷に入っては郷に従え
- 時に従う
- 法を枉げる