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国に二君なし

読み方

くに に にくん なし

意味

一つの国に二人の君主がいては統治が乱れる、という意味。転じて、組織や集団では最高権力者・最終責任者が二人いると命令系統が混乱するため、中心となる統率者は一人であるべきだというたとえ。忠誠を二つに分けるべきでない、という文脈でも用いられる。

由来

古代中国の儒教的政治思想に基づく言い回し。『礼記』などの漢籍に見える「天に二日無く、土に二王無し」「家に二主なし」に通じる表現で、国家や家には最高位の支配者が二人あってはならないという考えを示す。『礼記』は前漢期、紀元前1世紀ごろに編纂されたとされるが、この句の正確な初出年は不明。日本には漢籍の訓読を通じて広まった。

備考

現代では国家よりも会社・団体の指揮系統を論じる比喩として使われることが多い。権威主義的に響く場合もあるため、場面に注意。

例文

  • 社長と会長が別々の方針を出して現場が混乱している。国に二君なしで、最終判断は一人に絞るべきだ。
  • 新しい部署では責任者を二人置かず、国に二君なしの考えで部長に権限を集中させた。
  • 同じプロジェクトに二人のリーダーがいては決定が遅れる。国に二君なしという言葉を思い出す。
  • 家臣たちは、国に二君なしとして、どちらの後継者を主君と仰ぐか早急に決める必要があった。
  • 監督とオーナーが選手起用に口を出し合えばチームは迷走する。国に二君なしとはよく言ったものだ。

類義語

  • 家に二主なし
  • 天に二日なし
  • 天に二日なく土に二王なし
  • 忠臣は二君に仕えず

対義語

  • 船頭多くして船山に登る
  • 二頭政治
  • 両雄並び立つ

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