命は義によりて軽し
読み方
いのち は ぎ に よりて かるし意味
命は尊いものだが、正義・信義・道義を守るためには、時に命さえ惜しまず軽く扱うべきだ、という意味。個人の生存よりも義を重んじる儒教的・武士道的な価値観を表す。由来
「義」は儒教で人の守るべき正しい道を指す。ことわざとしての成立年は不詳。思想的には中国戦国時代の儒家の典籍『孟子』告子上(紀元前4〜3世紀頃成立)の「生を舎てて義を取る」に通じ、漢文訓読調の表現として日本で定着した。近世以降は武士道的文脈でも用いられた。備考
古風で硬い表現。自己犠牲や殉死を肯定する響きがあるため、現代の日常会話では慎重に用いる。歴史・文学・倫理の文脈で見られる。例文
- 彼は不正を告発する覚悟を語り、「命は義によりて軽し」と自らを奮い立たせた。
- 時代劇の主人公が主君への忠義を示す場面で、「命は義によりて軽し」という言葉が重々しく響いた。
- 命は義によりて軽しとはいうが、現代ではまず命を守ったうえで正義を実現する道を探すべきだ。
- 祖父は戦友の話をするとき、命は義によりて軽しという古い価値観に触れながらも、犠牲を美化してはならないと語った。
- 彼女の決断は、まさに命は義によりて軽しと評されるほど、信念を貫くものだった。
類義語
- 義は命より重し
- 命より名を惜しむ
- 捨生取義
- 義を見てせざるは勇無きなり
- 虎は死して皮を留め人は死して名を残す
対義語
- 命あっての物種
- 死んで花実が咲くものか
- 命に過ぎたる宝なし
- 命は宝の宝