君子は器ならず
読み方
くんし は き ならず意味
立派な人物は、特定の用途にしか使えない器物のような存在ではなく、広い見識と柔軟な判断力を備え、状況に応じて多方面で力を発揮できるものだという意味。人を単なる技能や役割だけで測らず、人格や総合力を重んじる考えを表す。由来
中国の古典『論語』為政篇の「子曰、君子不器」に由来する。孔子の言葉を弟子たちが記録・編纂したもので、成立は孔子没後の戦国時代ごろ、紀元前5〜4世紀頃とされる。日本では漢文訓読により「君子は器ならず」と読まれる。備考
儒教的な教養語で、日常会話より文章・講話・ビジネス訓示で使われる。単なる「何でも屋」ではなく、人格と見識の広さを重視する表現。例文
- 彼は営業も企画も人材育成もこなす。まさに君子は器ならずというべき人だ。
- 専門知識だけで満足せず、広い教養を身につけよ。君子は器ならずだ。
- 社長は若手に一つの部署だけでなく複数の現場を経験させ、君子は器ならずの精神を説いた。
- 研究者でありながら社会問題にも発言する彼女の姿勢には、君子は器ならずという言葉がよく当てはまる。
- 君子は器ならずと言うが、何でも中途半端でよいという意味ではない。土台となる人格と見識が必要だ。
類義語
- 君子不器
- 大器は小用に適せず
- 大才は小才を兼ねる
- 万能の人
対義語
- 小人は器なり
- 一芸に秀でる
- 専門ばか