出船によい風は入り船に悪い
読み方
でふね に よい かぜ は いりふね に わるい意味
同じ出来事や条件でも、立場が違えば利益にも不利益にもなるということ。一方に好都合な状況が、他方には不都合・損害になる場合にいう。物事の善し悪しは、受け取る側や置かれた状況によって変わるという相対性を示すことわざ。由来
帆船が風の向きに大きく左右された時代の港の経験から生まれた言い回し。出港する船には追い風・順風となる風向きが、同じ港へ入る船には向かい風・逆風になることにたとえた。成立年は不詳だが、近世(江戸時代、17〜19世紀)の海運文化の中で広まったと考えられる。備考
「出船」は出港する船、「入り船」は入港する船。利害が相反する状況を客観的に述べる表現。表記は「良い」「入船」とも書く。日常会話より説明文・評論で見かけやすい。例文
- 円安で輸出企業は利益を伸ばしたが、輸入業者には大きな負担になった。まさに出船によい風は入り船に悪い。
- 新しい駅ができて商店街はにぎわった一方、従来のバス路線は利用者が減った。出船によい風は入り船に悪いということだ。
- 在宅勤務の普及は社員には便利でも、駅前の飲食店には厳しい。出船によい風は入り船に悪い状況だね。
- 農家にとっては恵みの雨でも、運動会を予定していた学校には迷惑な雨だった。出船によい風は入り船に悪いとはこのことだ。
- 規制緩和で新規参入組は喜んでいるが、既存業者は価格競争に苦しんでいる。出船によい風は入り船に悪いことを忘れてはならない。
類義語
- 甲の薬は乙の毒
- あちらを立てればこちらが立たぬ
- 一方に利あれば一方に害あり
- 彼方立てれば此方が立たぬ
対義語
- 三方よし
- 共存共栄
- 持ちつ持たれつ
- ウィンウィン