兼聴すれば明るく偏信すれば暗し
読み方
けんちょう すれば あかるく へんしん すれば くらし意味
複数の立場や意見を公平に聞けば物事の真相や道理がよく見えて正しい判断ができるが、一方の言い分だけを信じると判断を誤り、事実が見えなくなるという戒め。偏った情報に頼らず、広く意見を聞くことの大切さをいう。由来
中国唐代の太宗と諫臣・魏徴の問答に由来する。太宗が「君主はどうすれば明君となり、どうすれば暗君となるか」と尋ねた際、魏徴が「兼聴則明、偏信則暗」と答えた故事で、貞観年間(627〜649年、7世紀前半)の出来事とされる。『貞観政要』(8世紀初頭成立)や『資治通鑑』(1084年成立)などに伝わり、日本では訓読形でことわざとして用いられる。備考
文語・漢文訓読調で硬い表現。日常会話より、政治・経営・報道批評・調停などで「多面的に聞け」という戒めとして使われる。例文
- 新制度を決める前に、現場・顧客・経営陣の声をそれぞれ聞くべきだ。兼聴すれば明るく、偏信すれば暗しという。
- 部下の不満を一人の上司の説明だけで判断してはいけない。兼聴すれば明るく、偏信すれば暗しだ。
- 報道を読むときは、兼聴すれば明るく、偏信すれば暗しを意識して、複数の資料や反対意見にも当たっている。
- 裁判官は、兼聴すれば明るく、偏信すれば暗しの精神で、双方の主張と証拠を丁寧に確認した。
- 噂をうのみにして友人を責めてしまい、後で事情を知って、兼聴すれば明るく、偏信すれば暗しという教訓を痛感した。
類義語
- 一方聞いて沙汰するな
- 人の言うことは一方聞いて沙汰するな
- 片口聞いて公事を分くるな
- 両方聞いて下知をなせ
- 衆議は聖にかなう
対義語
- 独断専行
- 盲信
- 偏信
- 一方的判断