備わるを一人に求むるなかれ
読み方
そなわるを ひとりに もとむる なかれ意味
能力・徳・条件のすべてが一人に完全に備わっていることを期待してはいけない、という戒め。人にはそれぞれ長所と短所があるため、過度に完璧を求めず、役割分担や互いに補い合うことを大切にすべきだという意味。由来
中国古典『論語』微子篇の「無求備於一人(備わるを一人に求むるなかれ)」に由来する。周公旦が魯公に対し、人材に完全さを求めすぎないよう戒めた言葉として伝わる。『論語』は孔子没後に弟子たちが編んだ言行録で、成立は戦国時代(紀元前5〜3世紀ごろ)とされるが、細部は諸説ある。日本では漢籍の訓読を通じて故事成語・格言として用いられるようになった。備考
文語的で硬い表現。日常会話では「一人に全部求めてはいけない」と言い換えることが多い。「求むることなかれ」とも表記される。例文
- 「備わるを一人に求むるなかれ」と言うように、新人に即戦力も創造性も調整力もすべて求めるのは酷だ。
- チーム編成では、備わるを一人に求むるなかれの精神で、互いの弱点を補い合うことが大切だ。
- 彼は発想力は抜群だが事務処理は苦手だ。備わるを一人に求むるなかれで、適材適所に配置しよう。
- 親が子どもに学業、運動、礼儀の全部で完璧を望むのは、備わるを一人に求むるなかれに反する。
- リーダー選びでも、すべての資質を一人に求めず、備わるを一人に求むるなかれと考えたい。
類義語
- 人には得手不得手がある
- 人に長短あり
- 尺も短し寸も長し
- 一長一短
- 適材適所
対義語
- 完全無欠
- 十全十美
- 万能