何でも来いに名人なし
読み方
なんでもこい に めいじん なし意味
「何でもできます」「何でも引き受けます」と広く手を出す人は、かえって一つの分野を深く極めた名人にはなりにくい、という意味。万能ぶりを誇るより、専門性や得意分野を磨くことの大切さを戒めることわざ。由来
特定の故事や出典は不詳で、成立年も不明。「何でも来い」は「どんなことでも引き受ける」という口語表現で、そこに「名人なし」を結び付け、何事にも手を広げすぎると一芸を深めにくいという職人社会・処世訓的な発想から生まれた俗諺と考えられる。近世以降の口承表現とみられるが、確かな年代は分かっていない。備考
人を直接評すると軽い批判・皮肉に聞こえやすい。多才そのものを否定する語ではなく、専門性の不足や中途半端さを戒める文脈で使う。例文
- 彼は営業も経理もデザインもこなすが、何でも来いに名人なしで、専門として任せられる分野がまだ見えない。
- 新人のうちは幅広く経験するのも大切だが、何でも来いに名人なしにならないよう、自分の柱となる技術を持ちたい。
- その店は和食も洋食も中華も出すが、何でも来いに名人なしというか、看板料理に欠けている。
- 「翻訳も通訳もマーケティングもできます」と言うと聞こえはいいが、何でも来いに名人なしと見られることもある。
- 彼女は何でも来いに名人なしを戒めに、デザイン全般ではなくロゴ制作を徹底的に極めることにした。
類義語
- 多芸は無芸
- 器用貧乏
- 何でも屋に名人なし
- 広く浅く
- 十職より一職
対義語
- 一芸に秀でる者は多芸に通ず
- 一意専心
- 餅は餅屋