世の中に寝るほど楽はなかりけり
読み方
よのなかに ねるほど らくは なかりけり意味
この世には、寝ていることほど気楽で楽しいものはない、という意味。仕事や世間の苦労から離れて眠る安楽さを、やや怠け心や自嘲、冗談を込めていう言葉。勤労を否定する本気の教訓というより、疲れたときのユーモラスな表現として使われる。由来
和歌の五七五七七の形を借りた狂歌「世の中に寝るほど楽はなかりけり/浮世の馬鹿は起きて働く」の前半として伝わる。成立年は不詳。作者についても大田南畝(蜀山人)などに仮託される説があるが確証はなく、江戸時代、特に江戸後期(18世紀末〜19世紀初めごろ)に流布した俗諺・狂歌とみられる。「なかりけり」は文語で「ないことだなあ」の意。備考
文語調で古風。後句「浮世の馬鹿は起きて働く」と続けて引かれることも多い。怠惰のすすめではなく、疲労時の冗談・自嘲として用いる。例文
- 休日の朝、布団から出られず「世の中に寝るほど楽はなかりけり」とつぶやいた。
- 徹夜明けにベッドへ倒れ込んだ瞬間、世の中に寝るほど楽はなかりけりとは本当だと思った。
- 彼は仕事が山積みになると、いつも「世の中に寝るほど楽はなかりけり」と言って現実逃避する。
- 雨の日に家で昼寝をしていると、「世の中に寝るほど楽はなかりけり」という言葉の気持ちがよく分かる。
- 退職した祖父は朝寝を楽しみながら、「世の中に寝るほど楽はなかりけり」と笑っていた。
類義語
- 寝るほど楽はない
- 寝るに勝る楽はない
- 寝るほど楽なものはない
対義語
- 働かざる者食うべからず
- 早起きは三文の徳
- 勤勉は成功の母