三軍も帥を奪うべきなり匹夫も志を奪うべからず
読み方
さんぐんも すいを うばうべきなり ひっぷも こころざしを うばうべからず意味
たとえ大軍の総大将は力で捕らえたり失わせたりできても、一人の人間の志だけは他人が奪うことはできない。地位や力に関係なく、人の信念・決意は本人の内面に根ざすもので、何よりも尊く強いという教え。由来
中国古典『論語』子罕篇の「三軍可奪帥也、匹夫不可奪志也」に由来する。孔子(紀元前551〜前479)の言葉とされ、弟子たちが戦国時代前期〜中期ごろ(紀元前5〜前4世紀ごろ)に編纂した『論語』に収められた。日本では漢籍訓読を通じて古代以降に受容された。備考
漢文訓読調で非常に硬く、日常会話より文章・演説・訓話向き。「匹夫」は庶民の男性を指す古語だが、現代では広く「一個人」の意で理解される。例文
- 何度不採用になっても研究者になる夢を捨てない彼の姿に、「三軍も帥を奪うべきなり匹夫も志を奪うべからず」という言葉を思い出した。
- 会社の都合で企画は中止されたが、社会を良くしたいという彼女の志は、三軍も帥を奪うべきなり匹夫も志を奪うべからずで、少しも揺らがなかった。
- 周囲がどれほど反対しても、医師になって過疎地で働くという決意は変わらない。まさに三軍も帥を奪うべきなり匹夫も志を奪うべからずだ。
- 試合には負けたが、チーム全員が再挑戦への意志を失わなかったので、監督は三軍も帥を奪うべきなり匹夫も志を奪うべからずと励ました。
- 権力で地位を奪うことはできても、正義を貫こうとする心までは奪えない。三軍も帥を奪うべきなり匹夫も志を奪うべからずである。
類義語
- 一寸の虫にも五分の魂
- 一念岩をも通す
- 精神一到何事か成らざらん
- 初志貫徹
- 志は奪うべからず
対義語
- 長い物には巻かれろ
- 付和雷同
- 意志薄弱
- 節を屈する