一毛を抜いて天下を利するも為さず
読み方
いちもう を ぬいて てんか を りする も なさず意味
自分の毛を一本抜くだけで天下の人々の利益になるとしても、それさえしないという意味。ごくわずかな損や手間すら惜しみ、他人や社会のために何もしようとしない、極端な利己主義・吝嗇さを戒めていう故事成語。由来
中国戦国時代の思想家・楊朱の説を評した『孟子』尽心上にある「楊子は為我を取り、一毛を抜きて天下を利するも為さざるなり」に由来する。成立は紀元前4〜3世紀ごろとされ、楊朱の徹底した自己本位の思想を孟子が批判的に述べた表現。備考
古風で硬い表現。日常会話より文章・評論向きで、強い批判を含む。「一毛不抜」と要約されることも多い。例文
- 彼は寄付どころか署名一つにも協力しない。まさに一毛を抜いて天下を利するも為さずだ。
- 部署全体が困っているのに、資料を一枚共有することさえ嫌がるとは、一毛を抜いて天下を利するも為さずと言われても仕方がない。
- 少しの時間を割けば多くの人が助かるのに断るなんて、一毛を抜いて天下を利するも為さずの態度だ。
- 自分の利益にならないことは、たとえ社会の役に立つことでもしない彼の姿勢は、一毛を抜いて天下を利するも為さずそのものだ。
- ボランティアを強制する必要はないが、一毛を抜いて天下を利するも為さずというほど無関心では、共同体は成り立たない。
類義語
- 一毛不抜
- 一毛を抜かず
- 楊朱の為我
- 自分さえよければよい
- 利己主義
対義語
- 滅私奉公
- 己を捨てて人を助ける
- 身を捨てて仁をなす