一斑を見て全豹を卜す
読み方
いっぱん を みて ぜんぴょう を ぼくす意味
物事のごく一部分を見ただけで、その全体の性質・状態・成り行きを推測すること。少ない手がかりから全体像を見抜くという肯定的な意味でも、わずかな材料だけで早合点するという戒めの意味でも用いられる。由来
中国の故事に由来する。南朝宋の劉義慶が5世紀前半ごろ編んだ『世説新語』方正篇の「管中窺豹、時見一斑」(管の中から豹をのぞくと、時に一つの斑点だけが見える)に基づく表現。日本で「一斑を見て全豹を卜す」という形で、部分から全体を推し量る意に定着した。備考
「卜す」は「判断する・占う」の意で文語的。硬い表現なので日常会話より評論・論説・ビジネス文書などで使われやすい。例文
- この小さな不具合だけで製品全体の品質を決めつけるのは、一斑を見て全豹を卜すようなものだ。
- 彼女は短い面談の受け答えから応募者の力量を見抜き、一斑を見て全豹を卜す判断力を示した。
- 売上の一日分のデータだけで年間の業績を語るのは、一斑を見て全豹を卜す危うさがある。
- 地方の一店舗の成功例を見るだけでも、この会社の経営方針はある程度わかる。一斑を見て全豹を卜すとはこのことだ。
- その研究者は断片的な史料から当時の社会構造を推定し、まさに一斑を見て全豹を卜す分析を行った。
類義語
- 一を聞いて十を知る
- 一事が万事
- 一葉落ちて天下の秋を知る
- 管中窺豹
対義語
- 木を見て森を見ず
- 群盲象を評す