あちら立てればこちらが立たぬ
読み方
あちら たてれば こちら が たたぬ意味
一方の立場や利益、面目を尊重すると、もう一方の立場や利益が損なわれ、両方を同時に満足させることができないという意味。人間関係や利害調整で、どちらを優先しても不満や問題が残る板挟みの状況を表す。由来
初出・成立年代は不詳。「立てる」は人の面目・立場を保つ、尊重するという意味で、「こちらが立たぬ」はもう一方の面目や筋が通らないことをいう。近世(江戸時代、17〜19世紀)ごろまでに、複数の相手や利害を調整する難しさを表す庶民的な俗諺として広まったと考えられる。備考
「あちらを立てればこちらが立たぬ/立たず」とも言う。「立たぬ」はやや古風な否定形で、日常会話では説明的に「両方は立てられない」と言い換えることも多い。例文
- 部長の案を採用すると現場が困り、現場の要望を通すと予算が足りない。あちら立てればこちらが立たぬだ。
- 兄に合わせて日程を決めると妹が来られず、妹に合わせると兄が無理をする。あちら立てればこちらが立たぬね。
- 取引先Aの納期を優先すれば、取引先Bの仕事が遅れる。まさにあちら立てればこちらが立たぬ状況だ。
- 厳しく指導すると部下が萎縮し、甘くすると規律が緩む。管理職はあちら立てればこちらが立たぬと悩みがちだ。
- 地元住民の静けさを守れば観光客を呼べず、観光を優先すれば住民が不満を持つ。あちら立てればこちらが立たぬ問題だ。
類義語
- あちらを立てればこちらが立たぬ
- あちらを立てればこちらが立たず
- 一方を立てれば他方が立たぬ
- 板挟み
- 痛し痒し
- 二律背反
対義語
- 一石二鳥
- 一挙両得
- 両立する
- 両方が立つ
- 八方丸く収まる