鼬の無き間の貂誇り
読み方:いたち の なき ま の てん ほこり
意味
自分より優れた者・力のある者がいない間だけ、実力の劣る者が得意になって威張ること。また、そのような人をあざけっていう。普段は目立てない者が、強い競争相手や監督者の不在をよいことに大きな顔をする、という意味。
由来
鼬(いたち)と貂(てん)という似た小動物を対比し、ここでは鼬を優れた者、貂をそれに及ばない者に見立てた日本のたとえである。鼬がいない時だけ貂が誇らしげに振る舞うという動物の比喩から、実力者の不在時にだけ威張る人をいうようになった。成立時期や初出文献は未詳で、特定の古典に由来することは確認されていない。
備考
「貂」は「てん」と読み、イタチ科の動物を指す。現在はやや古風で使用頻度の低いことわざ。「鼬のいない間の貂誇り」と言い換えることもある。動物の実際の強弱を科学的に述べた表現ではない。
別表記
- 鼬の無い間の貂誇り
- 鼬のいない間の貂誇り
補足
- 「鬼の居ぬ間に洗濯」と同じく、単に監督者がいない間に自由を楽しむ意味だとするのは不十分。特に、実力の劣る者が不在の実力者に代わって威張るという含みがある。
- 「貂」を「天」と書くのは誤り。「貂」は「てん」と読む動物名である。
例文
- 部長が出張している間だけ部下に威張り散らすとは、まさに鼬の無き間の貂誇りだ。
- 第一人者が引退した途端に、自分が業界の代表であるかのように話すのは、鼬の無き間の貂誇りにすぎない。
- 主力選手が不在の練習で後輩を見下すなんて、鼬の無き間の貂誇りだよ。
分類
類義語
- 鯨のいぬ間に小魚釣り
- 鬼の居ぬ間に洗濯
- 猫のいない間に鼠が騒ぐ
対義語
対比・対照ことわざ
- 鯨のいぬ間に小魚釣り
- 能ある鷹は爪を隠す