鰯で精進落ち
読み方
いわし で しょうじんおち意味
長く守ってきた戒めや主義を、取るに足りない利益やつまらない誘惑のために破ってしまうこと。せっかくの努力や節制を、価値の低いもののために台無しにする愚かさをいう。由来
成立年代は不詳。仏教で肉食を避ける「精進」の習慣と、その禁を解いて魚や肉を食べる「精進落ち」に由来する。鰯は庶民的で安価な魚と見なされたため、そんなもののために精進を破るのは割に合わない、というたとえとして生まれた。江戸時代以降の庶民生活の語感を反映する表現と考えられる。備考
やや古風で使用頻度は高くない表現。相手を強く戒めたり皮肉ったりする響きがあるため、目上の人には言い方に注意が必要。例文
- 何年も禁煙していたのに、一本だけのつもりで吸うなんて、鰯で精進落ちだ。
- せっかく公正を掲げてきた会社が、わずかな接待で判断を曲げたら鰯で精進落ちになる。
- ダイエット中に高級料理ならまだしも、売れ残りの菓子で挫折するとは鰯で精進落ちだ。
- 彼は清廉を売りにしていたのに、小さな謝礼を受け取って評判を落とした。まさに鰯で精進落ちだ。
- 長い準備をしてきた試験勉強を、くだらない遊びの誘いで投げ出すのは鰯で精進落ちというものだ。
類義語
- つまらぬことで節を曲げる
- 小利のために大義を捨てる
- 安物買いの銭失い
- 一文惜しみの百知らず
対義語
- 初志貫徹
- 節を曲げない
- 操を守る
- 信念を貫く