駕籠舁き駕籠に乗らず
読み方
かごかき かごに のらず意味
人のためにその仕事や技術を用いる者が、自分自身のためにはそれを用いないことのたとえ。商売や専門として他人にはサービスを提供しているのに、自分はその恩恵を受けていない、または自分のことには手が回っていない状態をいう。由来
駕籠は主に江戸時代(17〜19世紀)に人を乗せて運んだ乗り物で、駕籠舁きはそれを担ぐ職業だった。日ごろ客を駕籠に乗せて運ぶ駕籠舁き自身は、身分・収入・仕事柄などの事情から駕籠に乗ることがほとんどなかったことに由来する。成立時期の正確な年は不明だが、江戸期の生活実感から生まれた言い回しと考えられる。備考
古風な表現で、現代では「紺屋の白袴」のほうが一般的。批判・皮肉としても使うが、忙しくて自分のことに手が回らないという同情的な文脈でも使える。例文
- 美容師なのに自分の髪は伸び放題で、まさに駕籠舁き駕籠に乗らずだ。
- 旅行会社に勤めている彼は、他人の旅程ばかり組んで自分は何年も旅行していない。駕籠舁き駕籠に乗らずとはこのことだ。
- 会計士の友人は顧客の帳簿は完璧に見るのに、自分の家計簿はつけていないらしい。駕籠舁き駕籠に乗らずだね。
- 整体師の先生が腰痛を我慢して働いていると聞き、駕籠舁き駕籠に乗らずという言葉を思い出した。
- ウェブ制作会社なのに自社サイトが古いままなのは、駕籠舁き駕籠に乗らずの典型例だ。
類義語
- 紺屋の白袴
- 医者の不養生
- 髪結いの乱れ髪
- 坊主の不信心
- 大工の掘っ立て
対義語
- 自分のことは自分でする
- 率先垂範