馬方三里、船頭一里
読み方
うまかた さんり、せんどう いちり意味
人は自分の職業や生活で慣れていることなら大きな負担にも耐えられるが、慣れていないことは少しでもつらく感じるというたとえ。職業や環境によって、得意不得意や苦労の感じ方が違うことをいう。由来
「馬方」は馬を引いて人や荷を運ぶ者、「船頭」は船を操る者。馬方は陸路を歩き慣れているので三里でも苦にしないが、船頭は船上の仕事に慣れており陸路一里でもつらい、という近世の交通・運送の実感から生まれた言い回しとされる。成立の正確な年は不明だが、江戸時代の街道・河川交通が盛んだった時代の生活経験に基づくことわざと考えられる。備考
古い職業名を含むため現代の日常会話ではまれ。相手の不得意をからかうより、経験や専門の違いを説明する文脈で使うと自然。例文
- 毎日外回りをしている営業部の彼は十キロ歩いても平気だが、内勤の私は駅まででも疲れる。まさに馬方三里、船頭一里だ。
- 祖父は畑仕事なら朝から夕方まで続けられるのに、パソコン作業は三十分で音を上げる。馬方三里、船頭一里というものだ。
- プログラマーには簡単な設定でも、事務担当者には難しいことがある。馬方三里、船頭一里で、慣れない作業は負担が大きい。
- 山岳ガイドは急な坂道を平然と登るが、都会育ちの私たちはすぐ息が切れた。馬方三里、船頭一里を実感した。
- 料理人の母は大量の仕込みを苦にしないが、私には玉ねぎを切るだけでも大仕事だ。馬方三里、船頭一里とはよく言ったものだ。
類義語
- 餅は餅屋
- 蛇の道は蛇
- 習うより慣れよ
- 慣れは力