飢えては食を択ばず
読み方
うえては しょくを えらばず意味
ひどく飢えているときは、食べ物の種類や味を選り好みしていられないという意味。転じて、差し迫った必要や困窮の中では、条件のよしあしを細かく選ぶ余裕がなく、得られるものを受け入れざるを得ないことをいう。由来
中国の成句「飢不択食(飢えて食を択ばず)」を訓読した表現に由来するとされる。正確な初出や成立年は未詳だが、日本では近世、特に江戸時代ごろの俚諺・ことわざとして広まったと考えられる。備考
食べ物以外にも、仕事・住居・契約など、切迫した状況で選択肢が限られる場合に使う。やや硬い言い方で、日常会話では説明的に用いられることが多い。例文
- 失業して貯金も尽きたので、飢えては食を択ばずとばかりに、条件の厳しい仕事でも引き受けた。
- 旅行先で店がほとんど閉まっていて、飢えては食を択ばず、駅前の小さな売店で買ったパンをありがたく食べた。
- 人手不足の部署では、飢えては食を択ばずで、経験の浅い人材でもまず採用して育てる方針になった。
- 本当はもっと良い部屋に住みたかったが、急な転勤で時間がなく、飢えては食を択ばず、空いている物件に決めた。
- 資金繰りが苦しい会社は、飢えては食を択ばずの状態で、不利な条件の契約にも応じざるを得なかった。
類義語
- 背に腹は代えられぬ
- 窮すれば通ず
- ない袖は振れぬ
- 貧すれば鈍する
- 飢えたる者は食を択ばず
対義語
- 武士は食わねど高楊枝
- 衣食足りて礼節を知る