雁は八百、烏は八万
読み方:かり は はっぴゃく、からす は はちまん
意味
本来は、美しい女性(美人)は少なく、容貌が美しくない女性は多い、という古い考え方をたとえたことわざ。雁を美しい鳥、烏を醜い鳥とみなし、その数を「八百」と「八万」と大きく対比させていう。転じて、優れたものは少なく、平凡なものや劣ったものは多いという意味にも用いられる。
由来
成立年代や最初の出典は明確ではない。雁を美しい鳥、烏を醜い鳥と見る古い価値観を背景に、日本で生まれた俗諺と考えられる。少なくとも江戸時代に成立した尾張いろはかるたでは、「か」の札の句として伝えられている。
備考
女性の容姿を美醜で序列化する古い価値観を含む。現代の日常会話では侮辱的・差別的に受け取られやすいため、歴史的な引用や説明以外での使用は避けるのが望ましい。
別表記
- 雁は八百烏は八万
- 雁は八百、鴉は八万
- 雁は八百、烏は八萬
誤用・混同注意
- 「雁」をこの句で「がん」と読むのは一般的ではない。いろはかるたの「か」の札でもあり、標準的には「かり」と読む。
- 雁が八百羽、烏が八万羽いるという実際の鳥の個体数を述べた表現だと受け取るのは誤り。数は美しいもの・優れたものの少なさを強調する誇張である。
- 現在でも女性の容姿を評する際に気軽に使ってよい表現だと考えるのは不適切。古い偏見を含むことわざである。
例文
- 古い随筆には、「雁は八百、烏は八万」として女性の容貌を品評する表現が見られる。
- 彼は「雁は八百、烏は八万」などと言ったが、容姿を優劣で語るその言い方は現代では不適切だ。
- 研究者は、優れたものが少ないことを表す古い比喩として、「雁は八百、烏は八万」を紹介した。
分類
類義語
- 美人は少なく醜女は多し
- 掃き溜めに鶴
対比・対照ことわざ
- 掃き溜めに鶴
- 蓼食う虫も好き好き