隴を得て蜀を望む
読み方
ろう を えて しょく を のぞむ意味
一つの望みをかなえたり利益を得たりすると、それだけで満足せず、さらに大きなものまで欲しがること。人の欲望には限りがなく、成功や利益がかえって次の欲を生むというたとえ。由来
中国の史書『後漢書』岑彭伝に見える故事に由来する。後漢の光武帝が隴(現在の甘粛省東部一帯)を平定した後、さらに蜀(現在の四川省方面)をも得たいと望んだという話から生まれた。時期は後漢初期、建武年間の1世紀前半(およそ32〜36年ごろ)とされる。備考
やや硬い故事成語で、日常会話より文章・評論・ビジネス文脈で使われやすい。向上心を褒めるより、欲深さや際限のなさを批判する語感が強い。例文
- 第一志望の大学に受かったのに、今度は奨学金も海外留学も欲しいと言うとは、まさに隴を得て蜀を望むだ。
- 新しい部署を任されたばかりなのに、すぐ役員の席まで狙うとは、隴を得て蜀を望むようなものだ。
- 売上目標を達成した途端、社長は市場シェア一位まで求め始めた。隴を得て蜀を望むとはこのことだ。
- 念願のマイホームを手に入れたのに、次は別荘が欲しいと言い出して、家族から隴を得て蜀を望むなと諭された。
- 小さな成功に満足せず挑戦するのは大切だが、感謝を忘れて隴を得て蜀を望むだけでは周囲の信頼を失う。
類義語
- 得隴望蜀
- 飽くことを知らない
- 欲にきりがない
- 貪欲である
- 望蜀の嘆
対義語
- 足るを知る
- 分をわきまえる
- 知足安分