閻魔の色事、地蔵の笑い
読み方:えんま の いろごと、じぞう の わらい
意味
厳格で恐ろしい閻魔が色恋にふけり、いつも静かで表情を変えない地蔵が笑うという、どちらも通常は考えにくい事柄を並べた言葉である。めったに起こらないこと、ありそうもないこと、またはその人柄からは想像できない意外な振る舞いをいう。
由来
閻魔は地獄で亡者を裁く厳しい王、地蔵は慈悲深いが石仏として無表情な存在と見なされたことに基づく、江戸時代に広まった俗諺とされる。成立年や最初の典拠は明確ではない。上方系のいろはかるたでは「ゑ」の札として知られる。
備考
現在の日常会話での使用頻度は高くなく、古風でユーモラスな言い回しである。「起こりそうにない」という意味で用い、宗教的な教義を述べる語ではない。
別表記
- 閻魔の色事地蔵の笑い
- 閻魔の色事、地蔵の笑ひ
誤用・混同注意
- 閻魔や地蔵に実際に色恋・笑いがあるという宗教上の説明ではなく、ありそうにない出来事をたとえる表現である。
- 「珍しい出来事」一般ではなく、とくに人物の性格・立場から見て意外でありそうもない行動についていう。
例文
- 普段は仕事一筋の部長が恋愛相談をしているなんて、まさに閻魔の色事、地蔵の笑いだ。
- 無口な祖父が人前で声を上げて笑うとは、閻魔の色事、地蔵の笑いのような珍事だった。
- あの厳しい先生が宿題をなしにするとは、閻魔の色事、地蔵の笑いと言いたくなる。
分類
類義語
- 火のない所に煙は立たぬ
- 月夜に提灯
- 蛇の生殺し
対義語
- あり得べきこと
- もっともなこと
- 当然のこと
対比・対照ことわざ
- 鳩が豆鉄砲を食ったよう
- 月夜に提灯